頸部腫瘤や睡眠時無呼吸症候群など喉の症状

頸部腫瘤について

喉の症状首にこぶのようなできものがある状態を頸部腫瘤といいます。
その多く(50~60%)は、パセドウ病に代表される甲状腺疾患に関連するものとされます。
症状としては、甲状腺が大きくなって息切れなどが見られるようになります。

他に亜急性・慢性の甲状腺炎、良性甲状腺炎、甲状腺の悪性腫瘍といったものが挙げられます。

原因

頸部腫瘤の多くは、リンパ節の炎症によるものです。首にはノドボトケの両サイドにリンパ節が走っていますが、片方だけでも数十個以上あり、病変の場所によっておよそどのリンパ節が腫れるのかは決まっています。そのため触診だけでも、それらの病変がどこにあるのか、また腫瘤が良性なのか悪性なのかも推測することが可能です。

しかし、ときには耳鼻咽喉、または肺や食道、乳腺、また胃腸・肝臓・すい臓・泌尿生殖器からのガンが転移していたという場合もあります。リンパ節そのものがガン化した悪性リンパ腫の可能性もあり、決して油断はできません。

治療法

頸部腫瘤を治療するには、まず原因をしっかり探らなければなりません。
細菌による感染症によるリンパ節炎などであれば、抗生物質を投与します。
ウイルスによる感染症、また外傷による腫れならば、時間とともに自然に治癒します。腫瘍・嚢胞によるものであれば、手術をおこなうことが一般的です。

睡眠時無呼吸症候群について

まだまだ「珍しい、特殊な病気」と思われがちな睡眠時無呼吸症候群ですが、実はいびきをかく人の7割が該当するといわれ、40~50歳代の男性中心に国内で100~300万人の患者がいるとも推定されています。
そんな「睡眠時無呼吸症候群」とは、一晩に無呼吸が「10秒以上のものが30回以上」、または「1時間に5回以上」起きている状態を指します。他にも以下の症状が挙げられます。

  • いびきが大きい
  • 夜中、何度も目覚める
  • 夜中、何度もお手洗いに立つ
  • 起床した際に頭痛やだるさが見られる
  • 日中ずっと眠気がとれない
  • 自動車を運転中、居眠りしそうになる など

睡眠がきちんと取れないためにお仕事などの効率が悪くなったり、また事故を起こす原因となり、失職や離婚に至ることも珍しくありません。
また睡眠中に血液の酸素濃度が落ちることから、深刻な合併症(脳循環や心臓循環の障害、また高血圧など)を引き起こす可能性も高くなります。

またお子さまの場合、成長ホルモンの分泌が阻害され発育に遅れが生じたり、胸部の変形(ろうと胸など)、また最悪のケースで小児突然死症候群の原因になることもあります。
しかしこれらの症状については、ご自身は睡眠中のため自覚できません。
またご家族で一晩中観察するというのも難しいため、検査するには専用の機械を使用します。

「睡眠時無呼吸症候群」チェックシート

下記の状況で眠気を覚える人は要注意です。

  • 座って読書している
  • テレビを鑑賞している
  • 人がたくさんいる場所に座り、何もしていない
  • 1時間ほど自動車に乗せてもらっている
  • 午後、休憩しようと横になった
  • 座って人と会話している
  • お昼ごはんを食べたあと、静かに座っている
  • 自動車を運転中、赤信号で止まった

睡眠時無呼吸症候群の大きな症状として「いびき」があります。

「寝入りばなのいびき」「大きな疲労によるいびき」「お酒を飲んで寝ているときのいびき」といった生理的なものについては心配いりません。

ただし、そんないびきも、「一晩中かいている」「呼吸が止まり、大きくあえぐようにかく」となると話は別です。まずは検査をおこない、治療の必要なものかどうかを把握しましょう。

中高年男性の場合、こうしたいびきに気づくのは大抵の場合奥様です。気になるいびきがあるようなら、早めに受診させることが大切です。

「睡眠時無呼吸症候群」の検査

当院では睡眠時無呼吸症候群の検査をご自宅でおこなえるよう、検査機械(アプノモニター)の貸し出しをおこなっております。入院せず、2晩でご自宅での検査が可能です。費用は5,000円程度です(健康保険適用)。

睡眠時無呼吸症候群は深刻な病気と考える方も多いですが、治せない病気ではありません。検査によって病気の有無や程度を把握して、それらに合わせたさまざまな治療法をおこないます。
ご自分、またはご家族のいびきが気になるようなら、まずは早めに当院で検査してみてはいかがでしょうか。

睡眠時無呼吸症候群、いびきの治療

「いびき」を治療するには、鼻・のど・首・体型・ストレスなど複数の因子が関係しあっていることから、原因を調べて体に支障のない方法を探る必要があります。
無呼吸症候群とは無関係の「単純性いびき」であれば、のどの手術が有効かもしれません。ただし必ず手術とは限らず、状況に合わせた治療をおこないます。

鼻やのどの検査、また睡眠状態の指導などをおこないますが、原因が無呼吸症候群である可能性もあります。扁桃腺が大きい人にはUPPP(咽頭腔を広げる手術)が有効ですが、肥満の方は必ずダイエットする必要があります。
また当院では、最後の手段としてご自宅での「持続的腸圧酸素療法(CPAP)」も可能です。

TEL:075-752-3387WEB予約
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