季節の変わり目などに耳鼻科では頭痛を訴える患者さんが増える
梅雨時などの季節の変わり目は、他の時期に比べて頭痛を訴える患者様が多くなります。
風邪症状の1つとしてよく見られる頭痛ですが、この時期は鼻・耳の病気を原因とする頭痛も起こりやすいと言われています。
繰り返す頭痛から考えられる耳鼻科疾患
頭痛を伴う耳鼻科疾患としては、副鼻腔炎、中耳炎が代表的な耳鼻科疾患です。
風邪が治ったのに頭痛が引かない、頭痛が長引いている、頭痛以外にも症状があるといった場合には、お早目にご相談ください。
顔や歯の痛み・鼻水の症状もあるとき
頭痛に加えて、額・眉間・頬などの顔、歯の痛み、鼻水症状がある場合には、副鼻腔炎が疑われます。
眉間の奥から頬の奥にかけて存在する「副鼻腔」という空洞で炎症が起こり、諸症状が現れます。
聞こえにくい・耳の痛み・耳だれもあるとき
頭痛に加えて、耳の聞こえにくさ、痛み、耳だれがある場合には、中耳炎、特に真珠腫性中耳炎が疑われます。
真珠腫性中耳炎は、真珠のような垢の塊が中耳に生じ、付近の骨を溶かしながら進行し、諸症状を引き起こします。めまいを伴うこともあります。
季節の変わり目に繰り返す頭痛と考えられる原因
季節の変わり目には、頭痛をはじめとした、自律神経失調症に似た症状のご相談が多くなります。近年では、気候・天気の変化によって生じるこれらの身体の不調は、「気象病」というくくりで概念化されています。またその原因としては、リンパ液で満たされた内耳のセンサーの異常ではないか、という指摘があります。 気圧の変化に伴って起こる頭痛の耳鼻科領域での原因疾患としては、メニエール病が挙げられます。 メニエール病は、内耳の圧が上昇することで「聞こえ」や「平衡感覚」をつかさどる細胞が損傷し、聞こえの悪さ(難聴)、耳の詰まった感覚、頭痛、耳鳴り、めまいなどの症状を引き起こす病気です。 まだまだ未解明の部分もありますが、治療による改善は可能ですので、季節の変わり目の長引く頭痛、繰り返す頭痛でお悩みの方は、一度ご相談ください。
メニエール病と片頭痛
メニエール病と似通った症状を持つのが「前庭性片頭痛」です。どちらも頭痛やめまい、吐き気などの症状を持ちます。 メニエール病の方が前庭性片頭痛を合併することも少なくないようです。
片頭痛
片頭痛とは、一定の間隔を空けて起こる頭痛のことです。必ずしも頭の片側だけに起こるとは限りません。約80%の症例において、光・音・においに過敏になるのが特徴です。
前庭性片頭痛
人口の1%に存在すると言われていますが、2013年に初めて定義されたものであるため、まだ世間にはあまり認知されていないというのが現状です。 お薬や生活習慣の改善で治療が可能です。
繰り返す頭痛と内耳の病気とのかかわり
このように、耳や鼻の病気が頭痛の原因となっていることも少なくありません。 特に繰り返し起こる頭痛の場合には、メニエール病などを原因としていることもありますので、「軽い風邪症状だろう」「そのうち治るだろう」と甘く見ず、お早目に受診されることをおすすめします。