もしかすると副鼻腔炎(蓄膿症)かも

副鼻腔炎(蓄膿症)でよくある症状

副鼻腔炎(蓄膿症)でよくある症状
  • 黄色い鼻水が出る
  • 鼻水がとまらない
  • 口呼吸してる

など

Q&A

そもそも「副鼻腔」とはどんなものですか?

副鼻腔とは、鼻の周りにある空洞のことを指して言います。ヒトには4つの副鼻腔(「上顎洞」「篩骨洞」「前頭洞」「蝶形骨洞」)があります。位置としては、上顎洞が頬に、篩骨洞が目と目の間に、前頭洞が額に、蝶形骨洞が鼻腔の奥にあります。いずれも鼻腔と細い管でつながっています。
このいずれかの副鼻腔で起こる炎症が副鼻腔炎です。4つの副鼻腔のうち、もっとも副鼻腔炎を起こしやすいのが上顎洞ですが、多くのケースにおいて、2つ以上の副鼻腔で炎症が起こります。

副鼻腔炎とは、どんな病気ですか?

副鼻腔炎とは、副鼻腔の粘膜が炎症を起こす病気です。「蓄膿症」とも呼ばれます。
あるとき突然発症し短期間で治る急性のものと、3か月以上続く慢性のものがあります。
鼻の病気としてよく見られるもので、お子様からお年寄りまで関係なく発症します。耳鼻科での治療によりほとんどが完治しますが、髄膜炎、視神経炎などを合併するリスクもあります。

副鼻腔炎には、どんな症状がありますか?

黄色い鼻水が出る、鼻水がとまらない、といった症状がよく見られます。また、鼻水が多いことで口呼吸になりがちです。多量の鼻水は後鼻漏となります。その他、頭が重い感覚、顔面の痛み・圧迫感と言った症状、嗅覚障害を起こすこともあります。
急性副鼻腔炎のケースでは咳や発熱を、細菌感染による副鼻腔炎のケースでは歯痛や口臭を伴います。

後鼻漏ってどんなものですか?

健康な人でも、鼻水は1日に2~6リットルも作られ、そのうちの約3割が、鼻の穴ではなく、のどに落ちていきます。この、喉に落ちていく鼻水が「後鼻漏」です。鼻水が多くなると、それだけ後鼻漏も多くなります。
不快感だけでなく、咳き込み、咳払い、痰がからむなどの症状を伴います。

症状が現れたら、どのように対処すれば良いですか?

耳鼻科で症状や鼻の状態をチェックして適切な治療を受ければ、ほとんどの場合完治します。ただ、炎症が脳や目に波及すると、髄膜炎や海綿静脈洞血栓症、視神経炎などの重篤な合併症を起こすこともあります。
鼻すすり、(鼻が詰まったことによる)口呼吸も身体に良くありませんので、原因を突き止めて改善する必要があります。
もし市販薬での治療をご希望でしたら、「チクナイン」(小林製薬)がお勧めです。漢方の働きで、炎症の改善・膿の排出を促進します。眠くなる成分も入っておりませんので、運転や勉強をされる方でも安心です。

鼻すすりは、どういった点が身体に良くないのですか?

鼻すすりは、中耳炎の原因の1つになると言われています。また、もともと鼻水は異物を体外へ排出する役割を果たしています。鼻すすりにより細菌・ウイルスごと鼻水が奥に入ると、感染のリスクが高まります。

口呼吸は、どういった点が身体に良くないのですか?

口呼吸が癖になると、乾いた外気が常にそのまま喉に送り込まれるようになります。喉が乾燥し炎症・咳が起こりやすくなるだけでなく、細菌・ウイルスの侵入を容易にします。また、お口の病気・症状(むし歯・歯周病・口の臭い)を引き起こす可能性が高まります。

急性の副鼻腔炎には、どんな原因がありますか?

多くは風邪からの炎症の波及を原因とします。その他、アレルギー性鼻炎による粘膜の腫れ、鼻ポリープ(鼻茸)によって、物理的に副鼻腔が詰まったことで、急性副鼻腔炎を発症するケースも見られます。

慢性の副鼻腔炎には、どんな原因がありますか?

慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎が慢性化して起こります。
ただ、その慢性化の原因(症状が長引く原因)としては、粘膜の炎症や腫れの繰り返しにより異物を捉え排出する機能が低下することにあるようです。

副鼻腔炎の治療には、どんなものがありますか?

急性副鼻腔炎の場合には抗菌薬、点鼻薬などを使用して治療します。慢性副鼻腔炎の場合、細菌を特定した上での抗菌薬を使用します。どちらの場合も、ネブライザー療法、鼻汁の吸引、生理食塩水による鼻洗浄を行いながらの治療となります。
これらの治療で十分な効果が得られない場合には、「内視鏡下副鼻腔手術」を検討する必要があります。また、鼻ポリープが原因である場合には、その切除を行います。

内視鏡下副鼻腔手術について詳しく教えてください。

鼻から内視鏡を挿入し、副鼻腔の病的に腫れた粘膜を切除することで、副鼻腔炎の症状を改善する手術です。従来の方法と比べ、切除範囲を最小限に留めることができ、術後の出血・痛みも抑えられます。
局所麻酔下で行われ、手術時間は片側で30~60分程度です。

治療中、自分で気をつけることはありますか?

大量の鼻水は、後鼻漏、鼻すすり、口呼吸、鼻をかむ回数の増加などを招きます。集中できない、ストレスがたまる、といったQOL(生活の質)の低下も進みます。
当クリニックでは、鼻汁の吸引、生理食塩水による鼻洗浄も行っておりますので、症状が強く現れたときなど、気軽にご利用ください。
また、患者様ご自身で鼻洗浄が行えるキットも市販されています。正しく使用すれば、耳鼻科で行う鼻洗浄に近い効果が得られますので、こちらもご利用されると良いでしょう。