睡眠時無呼吸症候群でよくある症状
- いびきが大きい
- 夜中何度も起きる
など
Q&A
そもそも「睡眠時無呼吸」とはどんな状態なのですか?
その名が表す通り、睡眠時に無呼吸である状態です。医学的には、気道の空気の流れが10秒以上止まることを「無呼吸」と言います。その無呼吸が7時間睡眠の間に30回以上、もしくはいずれかの1時間の中で5回以上起こっていれば、「睡眠時無呼吸」となります。
睡眠時無呼吸症候群とは、どんな病気ですか?
上記でご説明した睡眠時無呼吸により、睡眠の質が妨げられる病気です。受診に至っていない方を含めた潜在患者数は、国内で200~300万人にのぼると言われており、女性よりも男性に多く見られます。特に40~50歳代の男性は注意が必要です。
睡眠の質が低下することで、身体への悪影響はもちろんですが、日中に突然、我慢できないほどの眠気に襲われるようになります。運転をされる方、危険作業に従事される方は、事故のリスクも高まります。休職・失職・離婚といった事態に発展するケースも、決して珍しいものではありません。
日中に眠くなること以外に、危険性はありますか?
睡眠中の血中酸素濃度が低下するため、脳循環・心臓循環障害、高血圧などの合併症のリスクが上昇します。
お子様の場合には、成長ホルモンの分泌が阻害されることで発育に悪影響を及ぼしたり、胸部の変形(ろうと胸)、最悪のケースでは小児突然死症候群の原因になることもあります。
近年、日中の眠気のリスクばかりがクローズアップされますが、このような健康への悪影響も確実に存在します。
注意が必要ないびきのタイプはありますか?
睡眠時は喉の筋肉が緩み、いびきが起こりやすい状態です。そこに何らかの要因(口呼吸、扁桃・アデノイド肥大、肥満、疲労、飲酒など)が加わり、いびきをかきます。
注意が必要ないびきのタイプには、「一晩中かいている」「呼吸の停止が見られる」「あえぐようなうるさいいびきをかく」などがあります。ご家族にこのタイプのいびきが見られれば、すぐに受診するよう勧めてください。
一方であまり心配のいらないいびきのタイプとしては、「寝入りばなのいびき」「疲れた日にだけ出るいびき」「お酒を飲んで寝たときのいびき」などが挙げられます。
睡眠時無呼吸症候群には、どんな症状がありますか?
いびきが大きい、夜中何度も起きるといったことがあれば、睡眠時無呼吸症候群のサインです。いびきをかく方の7割が睡眠時無呼吸症候群だという報告もなされています。
その他、睡眠中の呼吸停止、呼吸停止を繰り返すといった症状も見られます。二次的な症状として、日中の強い眠気、起床が辛い、集中力の低下などが挙げられます。
症状を確認したら、どのように対処すれば良いですか?
日中の事故は、明日にでも起こり得ます。早期に受診し、必要な治療を受けましょう。
※当クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の検査をご自宅で行える検査機器(アプノモニター)のレンタルが可能です。2晩で、正確な検査を受けていただけます。(費用は、健康保険適用で5,000円程度です)。
睡眠時無呼吸症候群の原因には、どんなものがありますか?
睡眠時無呼吸症候群の原因は、閉塞性(OSA)か中枢性(CSA)かによって異なります。
閉塞性(OSA)の睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に上気道が塞がれることで起こります。その原因には、肥満による気道周りの脂肪のつき過ぎ、扁桃・アデノイド肥大、上気道への舌の落ち込み、骨格(下顎)の小ささなどが挙げられます。
中枢性(CSA)の睡眠時無呼吸症候群は、ストレスなどの何らかの原因により、本来は正常になされるはずの脳の呼吸コントロールがうまくいかないことで起こります。
睡眠時無呼吸症候群の治療には、どんなものがありますか?
まずは食生活の改善、適度な運動、規則正しい生活で睡眠の質を高めます。ダイエットやマウスピースの着用にも、いびき・無呼吸の解消が期待できます。
中程度以上の睡眠時無呼吸症候群の場合にはCPAP(シーパップ)療法が、扁桃・アデノイド肥大が原因である場合には、手術治療が行われます。
CPAP(シーパップ)療法について、詳しく教えてください。
CPAPと呼ばれる装置から延びるエアチューブを通して、鼻に装着したマスクへと空気を送り込みます。上気道の閉塞を解消し、睡眠時無呼吸を防止します。近年では、出張などの際に持ち運べる小型の装置も開発されています。CPAP療法は、「経鼻的持続陽圧呼吸療法」とも呼ばれます。
※装置は、レンタルが可能です。ご自宅で、継続的に使用していただけます。
睡眠時無呼吸対策に有効な睡眠法を教えてください。
以下のようなことに気をつけてみると良いでしょう。
- 生活を正し、決まった時間に眠くなるように習慣づけることで、睡眠の質を高めましょう。
- 夕方以降は、できるだけリラックスした時間を過ごし、交感神経を休めましょう。(音楽・お風呂などで)
- 横向き、うつ伏せで寝ることで、呼吸が楽になり、気道に舌が落ち込みにくくなります。(窒息の可能性がありますので、小さなお子様はうつ伏せでは寝ないでください)
- マウスピース、口閉じテープなどの使用で、いびき・無呼吸の防止が期待できます。